リアル!!すぐ隣のミステリー

Q&A

Q&A


今回は前回の日記で一度書いた事のある恩田陸の「Q&A」を紹介。


ある街のショッピングストアーで一斉に客が外に出ようとして大量の死傷者が出た事件が発生します。
しかし、どんなに調査をしてもその原因となる事件が分かりません。
何故、客は一斉に外に出ようとしたのか─。


この小説の特徴は全ての文章が「Q&A」で行っている所です。事件の関係者やその家族、あらゆる人にあらゆる人が事件のことについて質問をしています。
時に、質問者だった人物が今度は回答者になっていたり、質問者や回答者のその後が他の人同士の「Q&A」によって浮かび上がってきたりします。


最後については、「え!?で、結論は何!??」と拍子抜けしたのですが、話の展開や登場人物のリアルさは鳥肌ものです。久々にすごいと思いました。


小説のことを書いているのに絵的なイメージはどうかと思うのですが、ある「事件」という名の石を「社会」という池に投げ入れ、その波紋を見ているような感じです。


年末、ショッピングセンターにお節とかを買いに行く人にはあまりお勧めできませんが(絶対怖くなるから!!)ミステリー好きなら一遍読んでみてもいいかもです。
ちなみに、爆笑問題太田光も絶賛していました。