書評ブログ 歯車が狂うとき
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/06/29
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 84回
- この商品を含むブログ (243件) を見る
年末も押し迫ったこの時期やっと読み終えました。
登場人物がものすごく多いので最初はメモ書きでもして読まないと分からないのかなーと思ったのですが、中盤以降はぐいぐい引っ張られて二宮金次郎状態で読んでいることもたまにありました。(だって気になるんだもん!!)
で、感想なんですが・・・。
犯人の心情がわからん!!(詳細はネタばれでかきますが)
でも、この話に出てくる登場人物は誰もがそこいらにいる人のような普通の人ばかりで、どうしてこんな人たちが犯罪に関わっていってしまったのかと思う人もしばしばいました。
それぞれの人たちが考えた選択肢がこんなに大きな悲劇を引き起こしてしまうと言うことが描かれていてぞっとするほどリアルでした。
以下ネタばれ。
犯人 八代祐司は結局将来的にどうしたかったのか。
家族から逃げたいのならば、何故宝井綾子との関わりを今まで持ち続けたのか?
何故家族のように他人と同居し続けたのか??
何故認知も結婚もする気のない宝井綾子とずるずるあっていたのか???
結局その理由は最後までわからなかった。
なので、彼を愛した宝井綾子についても、最後「将来僕も彼のようになるのだろうか?」と言った、小糸隆弘のことも非常に分からない。
ただ、先日、おいらの弟(高校教師)が言っていた事を思い出した。
「近頃の生徒はバランスが悪い。情報はインターネットとかで見るからよく知ってるんだけど、経験値が昔の高校生より無いからひどく頭でっかちな傾向が見える。だから不安だ。」
八代はこの近頃の高校生のようなバランスの悪さを感じた。
それも、人生がひっくり返るほどの。
そういう意味では彼も被害者なのかもしれない。